血圧と塩

身体にどのくらいの塩があるのでしょうか?

 例)体重60kgの場合:@身体の60%が水分とするとその水分量は36kgです。

              Aその36kgの中にナトリウムは0.8%288gです。
            B血液量は体重の
1/13です。その4600ccの中にナトリウムは
                   0.8%36.8gです。

塩とナメクジ

 ナメクジに塩をかけるとナメクジはどんどん小さくなって、なくなってしまいます。

 これは塩を薄めようとして、ナメクジ自身のからだの水分を出してしまうからです。

人間が余分な塩を摂取したらどうなるのでしょうか?

 「ナメクジに塩」と逆の現象が起こります。

 例)10g余分に塩をとった場合:身体は血液のナトリウム濃度0.8%を保つために、

水を要求(のどが渇く)します。その量は1250ccになります。

一時的に水ぶくれ状態になりますが、尿として排泄されます。

過剰な塩分摂取で身体にどんな変化が起こるのでしょうか?

 余分な塩と水分は尿として排泄されますが、身体の中では色々な変化が起こっています。

 @血液量が増えることによって血管内の圧力(血圧)が上昇します。

 A血圧が上昇すると、血管内皮細胞が傷つきやすくなります。

 B心臓の仕事量が増えます。

 C腎臓の仕事量も増えます。

 この様なことが長く続くといつかは破綻します。

適正な塩分摂取量は?

 健康成人の食塩の1日目標摂取量は10g以下とされています。しかしながら現在の食生

活は昔と比べて加工食品が多くなっているため、濃い味のものが多く、摂取食塩も増加

傾向にあります。

 塩が足りないと「まずく」感じ、濃すぎると「だいなし」です。私たちが健康で、毎日

 おいしく食事をするためには、食品に対する知識と関心が必要です。

 @漬物、梅干、佃煮、干物、加工食品などを取り過ぎない。

 A麺類の汁は全部飲まないようにする。

 B味噌汁・スープ類は1日1杯程度にする(減塩味噌、だしを濃くするなどの工夫)

 C香辛料(生姜、七味、ゆず、コショウなど)を上手に使って、薄味を補う。

 Dしょう油はかけずに、小皿にとって使う。

 ※汗を多くかく夏場や激しい運動による発汗に対してはナトリウムなどのミネラルを含

んだ水分摂取が必要になります。