COPDその2

呼吸機能と肺年令

タバコを吸わない健康な人でも25才位をピークに1秒量が年とともに年間30mlずつ低下し、

未治療のCOPDの患者さんでは年間59mlずつ減少するといわれています。

1秒量とはめいっぱい息を吸い込んで、全力で息を吐き出した時の最初の1秒間の息の量です

  

肺年令とは身長と1秒量の実測値から計算します。

男性:肺年令=[0.036×身長cm1.178―測定した1秒量ℓ]/0.028

女性:肺年令=[0.022×身長cm0.005―測定した1秒量ℓ]/0.022

(例題)40才、身長170cmの男性の場合、1秒量の実測値が3.000ℓであったとすると、

    肺年令=[0.036×170cm1.1783.000/0.028

       =69.35才・・・となります。

1秒量を調べる

最も基本的な呼吸機能検査法はスパイロメーターによる測定です。自分の呼吸機能が何才の人の

呼吸機能に相当するのかを知る目安となります。外来で簡単にできる簡易型スパイロメーターで

呼吸機能のスクリーニングや自分の肺年令を知ることができます。

治療

COPDの患者さんにとって最高のくすりは“禁煙”です。禁煙することによって呼吸機能の低下

の速度を遅らせることができます。禁煙なくして治療はありえません。

治療の目的は呼吸機能の低下をできるかぎり食い止めて症状を改善し、楽な呼吸ができる日常生

活を維持することです。気管支拡張剤を中心とする薬物療法が主となります。

      

インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン

気道感染症はCOPDの急性増悪をもたらします。インフルエンザに罹患した場合、二次的に細菌

性肺炎を併発して、重症化しやすくなります。インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併

用効果が認められています。

ブリンクマン指数計算

タバコが人体に与える影響は、これまで喫煙したタバコの総量に密接に関係しています。

1日に吸うタバコの本数×喫煙年数

1日20本のペースで20年間タバコを吸い続けると20本×20年=400となります。

400以上は肺がんに、1200以上は喉頭がんにかかる危険性が高くなるといわれています。

最後に一言

がんもCOPDも喫煙歴20年がとても大きなリスクでることは間違いなさそうです。

タバコは百害あって一利なしです。タバコを一日も早くやめることをお勧めします。