老いる

論文をご紹介

かなり衝撃的な写真です。20年間にわたりカロリー制限をしたアカゲザル(左)とカロリー制限をして

いないアカゲザル(右)を比較したものです。この研究では半分のサルに低カロリーの食事を、残りの

半分のさるに普通の食事を与えて、身体組成、血液検査などを定期的に行っています。カロリー制限を

していないサルは癌、糖尿病、心臓病、脳萎縮などが38匹のうち14匹に、カロリー制限をしたサルで

38匹のうち5匹であったと言っています。

A・Bはカロリー制限ないものC・Dは制限あるもの

カロリー制限は姿かたちだけでなく、疾病予防にも有効であることを物語っています。今回の論文で人

間と同じ霊長類のアケゲザルについてカロリー制限が寿命を伸ばすことが証明されました。犬、マウス、

線虫、イースト菌、ミジンコもカロリー制限で長生きするそうです。(上記内容はScience 10 july 2009

 Vol.325 no.5937 pp.201-204より引用しました)

ミトコンドリア

クロワッサン4125に“ミトコンドリアで老けない体をつくる”という記事がありましたので紹介します。

その前にミトコンドリアとはいったい何でしょう。生物の基礎的なお話ですが、ミトコンドリアは細胞

質のなかにある小体で、細胞の呼吸やエネルギー生成をつかさどる本丸です。

さてそのミトコンドリアがどうしたかというと。同じ年齢でも若く見える人と老けて見える人がいます

が、「若く見える人は細胞内のミトコンドリアの量が多く、活動力が高く」「老けて見える人は量が少な

く、活動力が低い」ということです。そのミトコンドリアを鍛え、量を増やすにはどうしたらいいのか。

「意識的にエネルギー枯渇状態にする筋肉運動がミトコンドリアを増やす」具体的に「有酸素運動に少

し強めの運動を組み合わせたサーキットトレーニングを110分程度から始めて・・」とのこと。

また「認知症の原因の一つはミトコンドリアが生み出すエネルギーの低下。計算問題などを解く脳トレ

よりも適度な全身運動で脳の血流を増やし、ミトコンドリアの能力を高く維持することが認知症の予防

には有効でしょう」ともいっています。

老いる

老いを止めることはできませんが、老いの速度を遅くするよう努力しながら、老いをどう受け入れて、

老いといかに付き合っていくかが大事であると思います。適度な運動と腹八分目の食事につきます。