食後高血糖

食事と血糖値

健康な方であれば、食事を摂ると血糖値が上昇し、すい臓から分泌されるインシュリンの働きで速やか

に血糖値が戻ります。ところがすい臓から分泌されるインシュリンの量が不足したり、その分泌のタイ

ミングが遅れたり、あるいはインシュリンは分泌されていても正常に機能しなかった場合(インシュリ

ン抵抗性)には食事によって上昇した血糖値が下がらなくなります。このことを食後高血糖といいます。

糖尿病はこの食後高血糖から始まります。

血糖値の判断基準

図表の見方:縦軸は空腹時血糖値、横軸は75gブドウ糖負荷試験の2時間値の血糖値です。

(※75g経口ブドウ糖負荷試験:75gのブドウ糖を含んだ甘い糖液を飲んで、30分、1時間、2時間後に

採血して血糖値を測定し、正常型・境界型・糖尿病型のいずれかに判定する検査です)

 

 

♦A:健康で問題ありません。

♦B:空腹時血糖値だけが高いタイプ。

♦C:空腹時血糖値も食後血糖値も高いタイプ。

♦D:空腹時血糖値は正常のタイプで、食後の血糖値が高いことは糖負荷試験をやらなければわかりませ

ん。Dはいわゆる「かくれ糖尿病」タイプです。

♦A・B・C・Dのいずれでもない空腹時血糖値126mg/dl以上、糖負荷試験2時間値200mg/dl

以上は糖尿病です。(※上記図表等は2012No.30“こまど”を引用しました。)

検査結果の判断

朝食をとらずに検査をする健診では空腹時血糖を測定するので、食後の血糖値はわかりません。空腹時

血糖値が3ケタであれば食後の血糖1度測定してみましょう。かかりつけの先生にご相談ください。

食後高血糖は有害

食後高血糖は心血管疾患のリスクやその予後と強い関連を持っていることがわかっています。また網膜

症・がん・認知症などの発症と関連していることも多く報告されています。食後高血糖は有害です。