女性の喫煙

女性の喫煙率

厚労省たばこ情報によるとH22年の女性の年代別喫煙率は20歳代15.1%、30歳代16.0%、

40歳代16.8%、50歳代14.0%、60歳以上7.0%で、平均13.8%です。特に2030歳代女

性の喫煙率が急上昇しています。

妊婦の喫煙

年齢別に妊娠中の喫煙状況をみると、若年齢での喫煙率が高く、特に1519歳で14.3%と

最も高くなっています。妊娠が分かってからも、胎児への悪影響を知りながら喫煙を続け

ていることになります。

また喫煙本数別にみた出生時の体重・身長は喫煙本数が増加するとともに低くなる傾向が

指摘されています。

父親・同居者の喫煙

父親や同居者の同室における喫煙率はH22年で26.63779人の調査対象のうち1006

の同室喫煙)であり、出生男子において同室者の喫煙本数の増加とともに出生時の体重・

身長ともに低くなる傾向がみられます。

妊娠中の喫煙の特徴

喫煙により血管収縮作用のニコチンや一酸化炭素などは胎盤を通じて胎児にも運搬されま

す。ニコチンは羊水中で濃縮され、その結果、胎児は低酸素状態になります。また恐ろし

いことにそれらは母体血中濃度より胎児血中濃度のほうが高くなります

喫煙が生殖・妊娠・胎児に及ぼす影響:世界中の文献から相対危険度を示したものです。

1)生殖:♦不妊の増加    1.6

2)妊娠:♦子宮外妊娠    2.2

     ♦自然流産          1.67

     ♦早産       3.3

3)胎児:♦低出生体重児   2.4

     ♦全先天異常    1.32.3

     ♦口蓋裂      1.22

     ♦死産率・乳児死亡 約2

おわりに

胎児は自分でたばこの煙から逃げられません。妊娠中の能動喫煙や受動喫煙は生まれてく

る子供の身体的・精神的発育に多大な悪影響を及ぼします。喫煙は最悪です。

(※上記内容は日本医師会雑誌201212)第141巻・第9号から抜粋引用しました)

トピックス

Medical Tribune Vol45,No50,2012(12/13)より内容を抜粋し、紹介します。オックスフォ

ード大学Richard Peto教授による女性130万人の過去大規模調査によると、「喫煙は女性

の寿命を10年縮めるが、30歳以前で禁煙した者では早期死亡リスクの増加が97%超回避

できる一方、40歳まで喫煙を続けた者では死亡リスクの増加がさらに数十年にわたって残

り、40歳以降も喫煙を続けた者ではリスクが10倍高かった。男女とも、中年期以前に禁煙

すれば寿命が平均10年取り戻せる」といっています。