ピロリ菌の除菌

除菌の保険適用について

 ♦ピロリ菌の除菌は次の疾患に保険適用されています。

@胃・十二指腸潰瘍

A胃MALTリンパ腫(Mucosa-Associated Lymphoid Tissue:マルト)

B特発性血小板減少性紫斑病

C早期胃がんの内視鏡治療後胃

♦H252月より新たに「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」が追加されました。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎とは

 これまで胃粘膜の萎縮や腸上皮化生は加齢による慢性胃炎と考えられてきましたが、ピロリ菌非感染

者ではこれらの所見がほとんど認められないことから胃粘膜萎縮はピロリ菌感染に伴う現象であるこ

とが明らかになりました。この慢性萎縮性胃炎のことをヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と言います。

除菌効果

 国内外の多くの研究では、ピロリ菌の除菌成功によって、胃粘膜萎縮の進行が抑制されるか、あるい

は胃粘膜萎縮が改善されたということが明らかになっています。

胃がん予防効果

 ほとんどの胃がんがピロリ菌の感染に伴う慢性炎症を背景に発症しており、ピロリ菌非感染者からの

胃がんの発症はごく稀です。胃がんは肝がんや子宮頚がんと同様に感染症が原因であり、感染のコン

トロールによって“予防が可能ながん”といことになります。日本のコホート研究ではピロリ菌除菌

が胃がんの発症を有意に抑制し、除菌による胃がん抑制作用は長期間継続されていることも確認され

ています。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の除菌の手順

 @除菌をするためには最初に内視鏡検査にてヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の内視鏡診断を受ける

ことが前提となります。

 A内視鏡診断が確定したら、除菌前に感染診断を受けます。

 B感染診断にてピロリ菌陽性と判明したら除菌治療を行います。

 C除菌は3剤を1日2回7日間内服し1か月後に除菌判定を行います。

 D除菌判定で陰性なら除菌成功となり、陽性なら再除菌を行います。

除菌の対象者は?

 ♦これまで1度も内視鏡検査を受けたことがない中高年の方や過去に内視鏡検査で慢性胃炎とか萎縮性

胃炎などの診断を受けた方は症状の有無にかかわらず内視鏡検査のよい対象になります。

♦当院では極細の経鼻内視鏡によって楽な検査が受けられます。ピロリ菌の感染診断は息を吹くだけの

簡単で精度の高い呼気検査が受けられます。

※内視鏡検査は電話にて予約できます:045-439-4077