ワーキングメモリー

ワーキングメモリー(Working Memory)とは

前頭前野(額のすぐ後ろにある前頭葉の前の部分)にワーキングメモリーと呼ばれる領域が

あり、何かをするために情報を一時的に覚えておくことです。たとえば会話をするとき相手

の会話の内容を理解しながら言葉を発したり、買い物で簡単な暗算をしたり、料理の手順を

考えながら調理することはこのワーキングメモリーで行われています。つまり日常生活の

中で“筆記具でメモを取るほどでもないことを頭の中に一時置いておくことができる機能”

です。この機能は年齢とともに低下します。

ワーキングメモリーとジョギング

走るためには左右の足を交互に前進させます。この走るという意志が生まれる数秒前から

前頭前野の神経細胞群が働いています。走り出す前に“どのルートを走るか”“どんなペー

スで走るか”などを決めて走ります。走り終えるまで一時的に覚えておくことがワーキング

メモリーなのです。習慣的にジョギングすることでワーキングメモリーの能力が増し、前

頭前野の働きが良くなることや前頭前野の容量が増すことなども報告されています

Run for Your Life

Natureという科学雑誌の「Run for Your Life」という記事をご紹介します。“走ると血清

中にBDNF(脳由来の神経成長因子)が出てきて、筋肉細胞の代謝活性を高め、神経細胞結

合シナプスや神経細胞の数を増やし、働きを良くする”と解説しています。

何をしたらいいのか

頭の体操もいいのですが、身体を動かすことをお勧めします。会話を楽しみながらのウォー

キングやスロージョギングが最適です。距離や起伏などを考え、いくつかのコースを作って

楽しみましょう。私の場合、ウォーキングは30分、50分、60分の3つのコース、ジョギン

グは30分コース2つを作り、そのときの体調によってコースを選んでいます。

 ※上記内容はCLINICIAN vol.60 no.623 より引用しました。