サルコペニア

サルコペニアとは

サルコペニアは「sarx:筋肉」と「penia:欠乏」というギリシャ語を組み合わせたもので、

Sarcopeniaと書きます。加齢に伴う筋量の減少と筋力の低下のことを意味します。

その実態は

筋肉の減少や筋力の低下は日常の立ち居振る舞い、つまり歩いたり、イスに座ったり、イス

から立ち上がったり、床から起き上がったりなどの身体機能の低下として現れます。

どうやって判定するのか

高齢者の体力測定の指標として握力、脚伸展力、5m歩行速度、イスからの立ち上がり運動、

閉眼片足立ちなどが行われます。下肢の筋力は歩行や起居動作(立ったり、座ったり)など

の身体機能と強く関連していますが、下肢の筋力測定には大型の専用機器を必要とするた

め、サルコペニアの筋力判定には用いられていません。一方、握力測定は小型、軽量、簡単

のため広く知られ、欧州におけるサルコペニア診断基準にも用いられています。日本での診

断基準はありませんが、欧州では男性30kg、女性20kgとされている。

論文を紹介します

Medical Tribune2014717 Vol.47 ,No.29)に第14回日本抗加齢医学会総会の論

文の要旨が載っていたので紹介します。“握力の強さが総死亡のリスク低下に寄与”(久山町

研究)という表題です。要約すると・・

@  握力レベルが高くなるにつれ、総死亡リスクが低下する傾向にある

A  2010WHO報告では死亡の危険因子として高血圧、喫煙、高血糖、第4位として身体不

活動となっており、日本では身体不活動は第3に挙げられている(2007年)

B  身体不活動や運動不足は低体力につながる。

C  握力と歩行スピードは認知機能の維持と関連する。

※この論文はサルコペニアとは直接関係ありませんが、筋力(握力)の強さは死亡リスクや

認知機能と関係していることを示しています。興味深い論文です。

どうしたらいいのでしょうか

高齢者の筋力トレーニングによる筋量と筋力の増加効果はもっとも信頼できるエビデンス

に分類されています。また歩行運動を中心とした有酸素運動は下肢の筋力や歩行能力を向

上させることも広く知られています。筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせて、習慣

的に行うことがサルコペニアの症状の緩和と予防に効果をもたらします。

私の場合

@  毎朝全身のストレッチと体幹トレーニング(20分程度)

A  3回スロージョギング(30分程度)

B  毎週日曜日にロングウォーキング:(1時間程度)

C  2回ゴムチューブによる上半身筋力トレーニング(20分程度)

体調の悪いときは無理をせず、休みます。まずはウォーキングから始めましょう!