メタボリックシンドロ−ム

最近メタボリックシンドロ−ムなる言葉が話題になっています。

これは従来から言われている内臓脂肪症候群やマルチプルリスクファクタ−症候群の病態

に共通しています。その概念は、a)腹腔内脂肪蓄積b)インスリン抵抗性c)耐糖能異

常d)脂質代謝異常e)高血圧―などが同一人に重積すると、それぞれがたとえ軽症であ

っても重複することによって、動脈硬化症を基盤とする心血管系疾患が発生しやすくなる

ということです。要約すると、「複数の危険因子をもった病態」ということになります。

そしてこの動脈硬化性疾患の共通の基盤は「肥満」です。特に内臓脂肪型肥満はBMIが肥

満の判定(25以上)に達していなくても多くの生活習慣病を引き起こすことが知られてい

ます。

内臓脂肪の蓄積は男性肥満者に著明で、加齢と過食とともに進展しますが、最も大きな要

因は「運動不足」です。そしてこの内蔵脂肪型肥満の最も有効な治療法は運動療法です。

a)現在何も症状がなくてもお腹が出ている方。

b)健康診断の総合評価などで、「直ちに治療の必要はないが生活習慣の改善が必要」な
と書かれた方。

c)コレステロ−ルが正常値をちょっと超えていて、時々軽い高血圧を指摘され、ちょっ

と小太りな方。―などは要注意です。

メタボリックシンドロ−ムの診断基準は

@ウエスト周囲径:男性85cm以上、女性90cm以上

A中性脂肪150mg/dl以上あるいはHDLコレステロ−ル40mg/dl未満(どちらか一方)

B血圧:収縮期血圧135mmHg以上あるいは拡張期血圧85mmHg以上(どちらか一方)

C空腹時血糖110mg/dl以上

※@を含めて3つ以上当てはまる場合(@AB、@BC、@AC)※@は必須項目

上記診断基準に当てはまる方はかかりつけの先生に相談してください。