自費でのピロリ菌除菌

新ガイドライン

日本ヘリコバクター学会は「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2009改訂版」

を発表しました。これまでの胃・十二指腸潰瘍に限定した除菌治療に対して、新たに

H.p感染症」を除菌治療の適応として推奨しています。

Hp除菌による胃がんの予防効果

 20088月に日本人による日本人の大規模試験が発表されました。

 要約すると、Hpを除菌したグループと除菌しないグループに分けて観察したところ、除

菌グループは除菌しないグループより胃がんの発症が1/3に抑えられたというものでし

た。除菌治療が胃がんの発生を有意に抑制することが示されました。

公的保険

現在の保険診療では胃・十二指腸潰瘍しか除菌の適応として認められていません。

自費でのピロリ菌除菌

 日本ヘリコバクター学会の新ガイドラインを受けて、一部の大学付属病院では全額自費

による除菌のための「ピロリ菌専門外来」を開設しています。

 北海道大学ではこの3月に光学医療診療部(内視鏡室)の特別外来として、ピロリ菌専

門外来を開設し、除菌治療を行っています。

1)自費での料金体系について北海道大学(北大)と当院とを比較してご紹介します。

Hpの感染の有無は尿素呼気試験にて判定しています。

※除菌の方法は全国共通です。お薬代は別途かかります。

   A)除菌なし

Hpの感染の判定のみ):@内視鏡なし:北大15330円 当院 5000

                 A内視鏡あり:北大27405円 当院15000

   B)除菌あり(Hp陽性)

(尿素呼気試験前後2回):@内視鏡なし:北大28770円 当院11000

               A内視鏡あり:北大40845円 当院21000

    C)2次除菌

     B)での除菌が不成功の場合、再除菌を行います。

                  @北大13440円 A当院 6000   

※上記の北大の資料はJapan Medicine 2009 4/27 No1393より引用しました。

 2)慶応大学では2000年よりピロリ菌外来が開設され、1次・2次除菌の不成功例など

Hp菌の難治症例を受け入れ、3次除菌(臨牀試験)も行っています。またHp

起因するさまざまな疾患の相談にも対応しています。

新ガイドラインの解釈

Hp感染症」は推奨度Aとして定めています。この推奨度Aとは「強い科学的根拠が

あり、除菌を行うよう強く勧められる」という強い評価です。