感染性胃腸炎のお話

感染性胃腸炎とは

食品や手指を介して経口的に侵入したウイルスや細菌による胃腸炎で、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などを

主症状とします。「嘔吐下痢症」とか「お腹のかぜ」などともいわれています。特に冬場に流行するノロ

ウイルスやロタウイルスなどによるウイルス性胃腸炎が代表的なものです。

感染経路

@感染した人の便や吐物に接触した手指を介する場合

A感染した人の手指から侵入した食品を食べた場合

B汚染されたカキなどの二枚貝を十分に加熱調理しないで食べた場合

C便や吐物が乾燥して、ほこりなどとともに舞い上がったものが体内に入る場合

などの感染経路が考えられます。

手洗いが最大の予防ですが、今回は二次感染予防のための消毒について簡単にお話します。

市販の塩素系消毒剤の塩素濃度について

    商品名

   塩素濃度

 ハイター、ブリーチ

 5%(50000ppm)

 ピューラックス

 6%(60000ppm)

 ミルトン

 1%(10000ppm)

ハイター、ブリーチは衣類用漂白剤として、ピューラックスは殺菌消毒剤(第2類医薬品)として、

ミルトンは哺乳びんなどの消毒殺菌剤として市販されています。

塩素濃度と用途について

           用途

  塩素濃度

 便・吐物が付着した場所

0.1%(1000ppm)

 汚染された衣類のつけおき消毒

0.1%(1000ppm)

 手すり・蛇口・ドアノブなどの拭きとり消毒

0.02%(200ppm)

@塩素系消毒剤には次亜塩素酸ナトリウムが含まれており、金属のサビや腐蝕の原因になります。

金属部分に使用した場合は10分程度してから水拭きしてください。

A便や吐物を処理する時はマスク、手袋、エプロンを着用してください。

B塩素ガスが発生することがありますので、換気には十分気をつけてください。

消毒液の作り方について

    塩素濃度

        うすめ方

 0.1%(1000ppm)

  500mlの水にハイター10ml

 0.02%(200ppm)

  2Lの水にハイター10ml

500ml2Lのペットボトルを利用すると便利です。

ついでにppmも勉強

ppmはparts per millionの略で、「百万分のいくつ」で表す濃度や成分比の単位のことです。

ハイターを例に説明します。市販されているハイターの塩素濃度は5%ですが、何ppmなのでしょうか。

5%は5/100です。これをppmにするために分母と分子に10000を掛け分母が百万になるようにします。

510000/1001000050000/1000000つまり「百万分の50000」となり50000ppmになります。