ORSってなんでしょう?

ORS

ORSとはOral Rehydration Solutionの略で、経口補水液のことです。これは水と電解質

をすばやく補給できるようにナトリウムとブドウ糖の濃度を調整した飲料です。

♦ナトリウムとブドウ糖をいっしょに摂取するとこれらが同時に吸収され、水分の吸収を促

進することが知られています。そして感染性胃腸炎などによる激しい下痢の時でもこの吸

収機能が維持し続けることも分かっています。

ORSは経口摂取が可能な方の個別評価型病者用食品(消費者庁許可)です。

ORSの対象者は

♦脱水を補正することが目的であり、乳幼児から学童、成人、高齢者までが対象となります。

♦感染性胃腸炎の嘔吐・下痢などによる消化液などの体液の喪失した場合

♦インフルエンザなどの高熱・発汗などによる脱水状態の場合

♦高齢者の経口摂取不足による脱水の場合

ORSの摂取量は年齢、発熱の有無、脱水の強さなどによって異なります。

脱水時の食事療法として医師、看護師、管理栄養士、薬剤師にご相談ください。

ORSとスポーツドリンクとの比較

現在市販されているORSのオーエスワン(OS-1)とスポーツドリンクのポカリスエットと

を比較してみましょう。



♦ポカリの方がOS-1よりブドウ糖が多く、甘く作ってあります。WHOやアメリカ小児学会経

口補水療法指針では糖質とナトリウムの濃度比を2:1を超えないとしていますが、ポカリ

4:1になっており、ポカリの方が吸収が劣るといえます。またNaKClもポカリ

OS-1の半分程度です。病気などでの脱水にポカリを使って悪いわけではありません。ポ

カリはそもそも清涼飲料水として販売しているものであり、健康な方のスポーツなどでの

水分補給に適しており、OS-1は病者用の経口補水療法として使われています。

ORSは医療機関の処方箋は必要ありません。薬局などで購入できます。

■「mEq/l」について:

mEq/lは飲料水のラベルに記載されている成分濃度を表したものです。

Eqとはequivalentの略で当量といいます。1Eq1当量、その1/10001ミリ当量とな

ります。電解質の量が少ない場合はEq1/1000のミリ当量をmEqとして用います。

♦「Na50mEq/l」と記載されていれば、1リットルの中に50mEqNaが含まれていることであり、

200mlのペットボトルであれば、その1/510mEqということになります。

この10mEqNa230mgで、食塩0.584gに相当します。したがって200mlのオーエスワンを2本飲むとおよそ1gの塩分補給になります。