痔について勉強しましょう!

痔は大きく分類すると、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)の3つに分け

られ、なかでも多いのが痔核で過半数を占めています。今回はこの痔核についてお話しま

す。肛門と直腸は内と外との括約筋で二重に囲まれています。この2つの筋肉の力で排便

コントロ−ルしていますが、括約筋だけでは便やガスのもれを防ぐことはできません。

肛門を閉じようとしても、少しの隙間ができます。その隙間をカバ−しているのが括約筋

と直腸粘膜や肛門上皮の間にある粘膜下組織です。この粘膜下組織はクッションのように

やわらかく、かつ弾力があって肛門をしっかり閉じる役割を果たしています。そしてこの

肛門クッションに負担がかかると出血したり、脱肛するようになります。これが痔核の本

態であるとする説が今は主流となっています。

痔核の症状は、最初は排便後の違和感程度ですが、そのうち排便時の出血がみられるよう

になります。出血の色は、真っ赤であることも特徴です。出血量も多く、“ポタポタ出血”

や“ピュ−と飛び散る”こともあります。ここで絶対に忘れてはならないのが“直腸がん

や大腸がん”からの出血です。がんの場合は一般的には“ジワジワ出血”が多く、色や量

がことなります。内痔核はほとんど痛みはありませんが、外痔核では多くは痛みを伴いま

す。

痔核の治療の基本は“良い排便をする”ことに尽きます。そのためには食物繊維と水分を

十分とることが肝心です。そして排便の心得として、

@トイレには便意を感じてから行く

A便は無理に出し切ろうとしない(いきみ過ぎない)

Bトイレは5分以内にするなどです。

肛門からの出血や痛みがあったら、痔と思い込まないように、がんの存在も忘れずに、

専門医を受診しましょう。