帯状疱疹の発症と予防

     帯状疱疹の発症の流れ

水痘・帯状疱疹ウィルス(VZウィルス)の初感染によって最初に水痘が発症します。

この水痘が治癒しても、VZウィルスは三叉神経節や脊髄感覚神経節に潜伏感染を起こし

ています(症状がないまま、じっと潜んでいる状態です)。

潜伏感染したVZウィルスは症状がでないまま、身体の中で活性化を繰り返しています。

この細胞性免疫の活性化は、水痘や帯状疱疹の患者さんとの曝露(接触)によっても起こ

りますが、長い年月の間にこの免疫が低下すると、帯状疱疹が発症することになります。

     これまでの疫学調査で分かったこと(エビデンスはないが・・)

1)水痘の発症が多い年は、帯状疱疹の発症が若干低下する。

2)小児と同居していない成人での帯状疱疹の発症頻度が高い。

3)VZウィルスに曝露されることによって帯状疱疹が低下するという観察結果から

水痘ワクチンの接種によってVZウィルスに対する細胞性免疫を活性化し、帯状疱疹その

ものの発症を予防できるのではないか?:アメリカでは帯状疱疹の既往の有無にかかわら

ず60才以上の成人にワクチンの接種が勧められている。

4)ワクチンによって帯状疱疹を完全に予防することはできないが、帯状疱疹後神経痛の

軽減には貢献している。

5)帯状疱疹発症予防のためにワクチンを接種する最適な年令や帯状疱疹の予防できる期

間は解明されていない。