脂腺母斑(しせんぼはん)

脂腺母斑は生れつきの黄色いアザで、頭部や顔面に好発し、成長とともに大きくなります。

1)第一期:乳幼児期は楕円形の黄色い、表面が顆粒状で、多くは“はげ”があることで

発見されます。

2)第二期:小学生から思春期にかけ乳頭状、結節状に少しずつ盛り上がってきます。

3)第三期:大人になると腫瘍に変化することがあります。腫瘍になるのは2割程度で、

悪性になるものは全体の0.1%といわれています。

治療は@母斑の切除A続発性腫瘍の発生防止が目的になります。基本は外科的切除です。

今回の症例は私自身です。頭頂部の百円玉くらいの大きさの脂腺母斑です。発生部位が

頭頂部にあり、自分では見えないこと、母斑にも毛髪があり、第三者からも見えないこと

が発見を遅らせたものと推測しました。数年前より何かあることには気づいていましたが、

放置していました。そしてこの数ヶ月で急に大きくなり、理容店の方にも指摘されたため

皮膚科専門医を受診し、腫瘍性変化のない脂腺母斑と診断されました。

切除にて皮膚欠損が大きくなり、皮膚縫合が難しくなることや悪性の所見がないことから

液体窒素による凍結を試みました。

 

凍結翌日には左写真のように母斑部分は凍結壊死(かさぶた)となり、

2週間後にはかさぶたもとれて、脱毛もなく、きれいになりました。