伏針(ふくしん)

針が身体の中に入った状態を伏針といいます。針を扱う職人さんが針を踏んで、足底部か

ら刺入したり、洋服に縫い針が残っているのを知らずに着用して、刺さることもあります。

本人は針が刺さったという自覚があり、針の刺入部を確認できますが、針そのものは見え

ないのでレントゲン写真で針の深さ、方向(三次元)の確認が不可欠です。針の摘出はレ

ントゲン透視下で行います。針が折れて刺入した場合には、残った針も持参してください。

釣り針

今回の症例は、釣り針が指に刺さったもので、伏針ではありません。針が見えますが、釣

り針の先端には「かえし」がついており、引っ張っても抜けません。

摘出するには、@針の湾曲を考慮し、その針を進めた場合の皮膚からの刺出点を想定し、

マークします。A予定刺出点に局所麻酔をし、針を進めて、針の「かえし」の部分を皮膚

から出します。B皮膚から出た「かえし」をペンチで切断し、針を引き抜きます。かえし

がないので簡単に抜けます。

傷は刺入部と刺出部の小さな2点ですが、針の指の中での通過距離は長く、化膿すること

があるので、要通院です。

       

@針の刺さった状態です。      A局所麻酔の後、かえしを皮膚からだします。

 

 

B取り出した釣り針です。